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2012年9月 5日 続せっかく遺言書を書いたのに

自筆証書遺言を書いたのに、遺族が遺言書の要件について争われた判例を取り上げたいと思います。

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■判例の解説
遺言無効確認(「自書」と「共同遺言」の要件)

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 判例の解説

自筆証書遺言の「自書」と「共同遺言」の要件が争われた事例を解説させて頂きます。
~最高裁判所 平成5年10月19日 第三小法廷 判決~
下記のような自筆証書遺言書の効力についての裁判です。
カーボン複写の方法によって記載
二人の遺言が一通の証書につづり合わされている
~その内容を以下に物語にして説明します。~
遺言書の形式(カーボン複写、共同遺言)以外は、フィクションです。
ですので、自分の名前と同じだ!などびっくりしないで下さいね。



田村定吉さんには、前妻との間に3人と現在の妻との間に5人(合計8人)の子供がいます。子供達は、みな独立して生活を送っています。

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歳をとった定吉さんは、妻と二人だけの生活に不安を感じていました。
そんなときに、一番下の娘が家族で同居してくれるようになりました。
娘の夫も定吉さんに優しくしてとても幸せでした。
幸せな日々の中、定吉さんは、自分が亡くなった後の事を考えました。
自分が亡くなっても妻の面倒を見て欲しい
できれば同居している娘夫婦に妻の面倒をみて貰いたい
面倒みて貰っているので何かお返しになるものをあげたい
でも、自分の財産といえばこの家と土地くらい
子供は全部で5人いるから、平等に分けると家や土地を残せない
子供達は、皆不自由なく生活しているようだ
などなど・・・

そこで、次の事を実行しました。
娘の夫と養子縁組
娘夫婦に家と土地を遺す旨の自筆証書遺言書を作成

【作成された遺言書の形式】
・・・ カーボン複写による記載  ※あとで争われた箇所
・・・ 中の1枚が妻名義の遺言書 ※あとで争われた箇所
・・・ 印鑑登録された印にて押印
・・・ 各ページの間に押印する割印も印鑑登録された印を使用
・・・ 遺言書を入れる封筒に印鑑証明書を同封

その後、定吉さんは幸せな人生を終える事ができました。
ところが、前妻の子が、家や土地などめぼしい財産を後妻の娘夫婦が貰う事に対して遺言の無効確認請求訴訟を提起しました。
<前妻の子の主張>
1. 遺言書の筆跡等の面で不自然な部分があり、父(定吉さん)が全てを自書したとは思えない為、遺言書は無効。
2. カーボン複写による遺言書は、民法968条1項の自書に該当しない為、遺言書は無効。
3. 民法975条で禁止されている共同遺言にあたる為、遺言書は無効。

<結果(最高裁判所まで争った結果)>
主張1.に対して
筆跡、その他事情を考慮した結果、定吉さんの自書であると認められるとされました。
主張2.に対して
カーボン複写による遺言書も自書の方法として許されないものではないとして民法968条1項の自書に該当するとされました。
主張3.に対して
妻名義の遺言書と定吉さんの遺言書は、容易に切り離すことができるものであるため、民法975条で禁止されている共同遺言にあたらないとされました。


~こうした争いを防げないか?~
●相続人とのコミュニケーションをとる
自分や妻の面倒を見てくれる者に財産を相続させたい事を相続人となる者へ事前にそれとなく伝えておく事も有効だと考えられます。
今回の事例では、事前に親から遺言書記載の内容を聞いていれば、前妻の子も、仕方ないねと納得してくれた可能性もあると思います。
とは言え、疎遠になってしまっている場合などは、中々コミュニケーションをとる事は難しいかもしれませんね。
その場合には、下記の方法もご検討下さい。

●遺言書に遺族へのメッセージを書く
財産を与える事ができない相続人や与える財産の少ない相続人に対してどうしてそうして欲しいのかを説明しては、如何でしょうか?
※「遺言書に遺族へのメッセージを書く」は、こちらにも記述しています。
 よろしければ、そちらもご参照頂ければ幸いです。

●専門家に遺言書作成の相談をする
ご自身で自筆証書遺言書を作成するのが不安な方は、専門家にご相談される事をお勧めします。
専門家に相談した場合には費用がかかります。しかし、残された相続人が争った場合にはもっと費用がかかる事や決着までに長い時間が必要で人間関係も壊れてしまう場合があります。
それらの事を考慮した上で安いのか高いのかをご判断されますと良いのではないでしょうか。

◆参考文献◆
有悲閣 家族法判例百選第7版 166、167頁
カーボン複写による自筆証書遺言と自書の要件(池田清治)



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